こんばんは ナマケモノです。
整形外科に勤めているとこのよくある質問。

「膝の内側が痛いです。
どうしたらいいですか?」
これが今回のテーマです。
ひざの内側が痛んで歩くのがつらい。
なんで痛いんだろう?このまま放っておいていいのかな?
あなたの痛みのポイントを押さえながら、どの症状にあてはまるか照らし合わせてみましょう!
ひざ痛のポイントをチェック
とくにけがをした覚えはないのにひざが痛い

とくに膝を捻った覚えはないし…運動もしばらくしていないわ。
原因は思い当たらないけどだんだん痛くなってきたの。なにかしら?
ほかにも、こんなことは思い当たりませんか?
- 体重が以前より増えた
- 移動手段は車、バイク、自転車
- おでかけは近くのスーパー程度
- ひざが曲がってきた気がする
そんなあなたは変形性膝関節症かもしれません。
変形性膝関節症はおもに50歳以降の方とくに比較的、女性に多く見られる症状です。
変形性膝関節症になる理由はさまざまありますが、
加齢や体重の増加、運動不足による筋力の低下が大きな原因と考えられるでしょう。
変形が軽度の場合は筋力訓練(筋トレです)が一番の治療です。
自分の関節を自分の筋力で支えられなくなっていることが関節を変形させてしまう原因のひとつであると考えられます。
太ももの前や内側の筋肉をつける運動を少しずつやってみましょう!
また、
体重のコントロールも非常に重要です。
「1年で5キロも太っちゃったわ…」
…なんて方はひざが痛くなるリスクとなりそうですね。
急いで痩せる必要はありません。
無理に痩せようとせず、適度な運動や食事の栄養バランス等の見直しをするところから始めてみましょう!
ひざをひねった後から痛みが出てきた

スキー中に板が雪に取られてしまった…それからひざが痛くて歩けなくなってしまったんだけどだいじょうぶかなぁ…
- つまづいて、バランスを崩した
- バスケットボール、サッカー、スキーなど、そのほかスポーツのタイミングでひざを捻った
- 痛くて歩くことが難しい
- ひざがひどく腫れている
そんな痛みをお持ちのあなたは
靭帯損傷もしくは半月板損傷かもしれません。
ひざの内側は非常に痛めやすい構造をしています。
よく半月板はお膝のクッションといわれ、ひろく知られていますが、
そのクッションは内側、外側それぞれひとつずつあり、内側より外側のクッションの方が強靭な構造をしています。
また人間の体はひざの内側に重心が通っており力学的にも常に内側の半月板に多くのストレスがかかっています。
それだけでもちょっとした衝撃で痛めやすい。
さらに
回旋というひざを軸にまわる動きが働くとひざに付着しているそのほかの靭帯も同時に痛めてしまうことが多いのです。
激しくひねった場合は骨折の可能性(すねの骨が折れている(欠けている))もありますので病院でしっかり見てもらいましょう!
膝のけがの場合はMRI検査を受けることをおすすめします。
怪我によるおひざ内側の痛みの場合はサポーターやギプス(ギプスシーネ)という固定をすることが一般的です。まずは患部を安静にすることが大事です。
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よく運動をするようになってから痛みが出るようになった

運動不足解消のために始めたランニング。でも最近膝の周りが痛む気がする…
そのまま続けていいのかな?
- ランニングやウォーキング、一生懸命やるようになってから痛みが出るようになってきた。
- ひざの内側で、すねに近いところを押すと痛い
- その部分が腫れていて熱を持っている感じがする
そんなあなたの症状は
鵞足炎という症状かもしれません。
”鵞足”と呼ばれる膝下内側のすねの部分に付着している太ももの大きい筋肉(縫工筋・薄筋・半腱様筋)は膝を曲げる働きがあります。
◯青丸枠内:×鵞足
運動する機会が増えると必然的にひざを曲げ伸ばしするタイミングが増え、
それらの筋肉に負担がかかり鵞足部分に炎症を起こしてしまいうのです。
運動量増加により負担が多くかかると筋肉はうまく伸び縮みができなくなります。
そして、うまく伸び縮みができなくなった筋肉は終着点である骨を引っ張ってきてしまうのです。
筋肉で骨と綱引きしているイメージを持ってもらえるとわかりやすいかもしれません。
腫れていたり熱を持っていたりする場合は
炎症が起きているサインです。
その場合はスポーツの中止や固定、
炎症が落ち着いたら太もものストレッチ、というのが一番の治療です。
痛みを起こさないように日頃の柔軟も心掛けるとなおよいですね。
ポイントを押さえて適切な治療を
ひざの内側が痛いといっても痛む場所によって、行うべき治療が変わってきます。
痛みによって生活に支障が出てきている場合は、お近くの整形外科にご相談ください。
痛みを出さないで生活するためには、筋力トレーニングを含む適度な運動が必要です。
簡単なものからでよいので日常のなかに少しずつ取り入れていきましょう!